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リスクベースの内部監査と製品開発プロセス

内部監査はさまざまな部門を対象として行われるが、事務部門出身の監査人にとっては、とっつきにくいのが開発部門の監査ではないだろうか。基礎的な研究を含む研究開発部門となると、いったい何を監査したら良いのか見当がつかないが、もう少し製品化に近い業務を行っている「製品開発」部門については、つぎの論文がリスクベースの内部監査について示唆を与えてくれる。

 http://findarticles.com/p/articles/mi_m4153/is_5_57/ai_67590524/pg_1?tag=artBody;col1

2000年に書かれた論考で、筆者はBarry S. Leithheadという人であるがオーストラリアで多分、コンサルタント会社の経営者をしていた人らしい。IIAの公認内部監査人だと思われる。以下、彼の論旨を要約して紹介する。

『組織の業績は製品開発が成功するかいかんにかかっている。新製品を投入したり、既存の製品に改良をくわえたりすることによって企業は市場ポジションと成長への機会を得ることができる。反面、これらが顧客の期待にミートしなかった場合、企業は市場ポジションと競争力を失ってしまう。したがって、製品開発には「機会」と「脅威」が潜在するわけで、そこに内部監査人がリスクベースの内部監査を実施することで組織に価値を付加することができるゆえんがある。

機会リスク

機会リスク(リスク・マネジメントでは広義には目標からの偏差をリスクというので、機会をもたらす要素もリスクというのだろう)をうまく管理することで企業は成功のチャンスを高めることができる。製品開発に影響をおよぼす機会リスクは投資とプロジェクト・マネジメントに関連している。

投資リスク

投資リスクに関して最も重要な点は前提条件と基礎的なデータの信頼性であり、内部監査人は、これらに十分な注意を払う必要がある。開発投資というのは実は一般的な設備投資(または資本予算)についての意思決定と似ているので、内部監査人はそこで利用されるリスク評価と統制プロセスを応用することができる。

プロジェクト・マネジメント・リスク

製品開発はプロジェクトでもあり、時間、資金、要求された品質と性能という主要な三つの条件に制約される。プロジェクト・マネージャはこれらの間のバランスをうまくとらなければならない。そのバランスこそがプロジェクトのリスクであり、プロジェクトが適切なリスク評価、リスク管理にもとづいて運営されているか内部監査人は注意を払わなければならない。

脅威

製品開発は企業にとって機会でもあるが、市場にアピールする製品を投入できなかった場合には、衰退と陳腐化という重大なリスクが生じる。企業の収益が成熟した製品に過度に依存している場合、将来にリスクを抱えているということになる。

成熟と陳腐化の影響が表れるのはゆっくりしてとらえがたい。しかも、いったん影響が現れたらば、それを逆転することはできない。成熟した製品は結局、市場から退出するか、アップデート(改良)するしかないのだ。組織が成熟と陳腐化のリスクに気付かなかったり、製品開発がタイムリーに良い結果を出せなかったりした場合、リスクが高まる。また、新製品や改良された製品をタイムリーに市場に投入するプロセスにもリスクが潜在している。

内部監査は経営者や管理者がこうしたリスクを認識、理解することを支援することで製品開発プロセスの重要な資産となりうる。

成功を確保する

顧客ニーズは常に変化し、競争相手の挑戦にも継続して対応せねばならない。そのために製品を改良または開発することは必須である。内部監査人は製品開発に潜在するリスクを適切に管理すること、企業が顧客に求められる製品を持ち続けることに貢献することができ、組織に重要な価値を付加することができる。製品開発がうまく行われるということは、企業が強い競争力と市場ポジションを持ち続け、失敗への落とし穴にはまらずに済むということである。』

著作権の問題があるので訳出しないでおくが原文には、投資リスク、プロジェクト・マネジメントのリスク、成熟のリスクの観点から内部監査人が発するべき問を例示してあり、参考になる。

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